九州南部は４日も雨の一日となり、雨脚が強まる時間帯もありました。懸念された線状降水帯の発生はありませんでしたが、現在も引き続きに土砂災害警戒情報が出されています。鹿児島県内各地では、３日からの大雨で被害の様子も明らかになってきています。

本土最南端の観光地の南大隅町の佐多岬では、展望台に続く遊歩道で土砂崩れが発生し、当面の間、展望台へ行くことができなくなりました。

鹿屋支局・春山たかよ記者
「こちらの遊歩道、土砂崩れの幅の分だけ柵が完全になくなっています。土砂の勢いを物語っています」

土砂崩れが発生したのは、佐多岬の展望台へ続く遊歩道のすぐ横にある斜面で、南大隅町によりますと、高さ約１０ｍ、幅約５ｍが崩れたということです。

南大隅町は町道を一部通行止めにし、現在、佐多岬公園への立ち入りができなくなっていて、復旧の見通しは立っていません。

南大隅町企画観光課・立神久仁子さん
「予想以上にひどかった。観光客が戻りつつある中、残念。早く復旧のめどがつけばいいと思う」

薩摩川内市では、高さ約２０ｍの木が、幅５ｍ程に渡って市道に倒れていて、通行止めとなりました。

薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「倒れて道路をふさいだ木は、下の水田にまで達しようとしています」

県によりますと、土砂崩れや路肩決壊により、日置市や薩摩川内市など県内６市町村で２０カ所の道路が全面通行止めになっているということです。

田中慎介記者
「女性が土砂と家の間に挟まれた現場です。裏山が崩れ、土砂がむき出しになっています」

消防によりますと、３日午後６時過ぎ、日置市東市来町の住宅の裏で８０代の女性が家の壁と裏山のがけから崩れた土砂の間に挟まれ、膝から下が埋まりました。

女性は右足を骨折しましたが、命に別条はないということです。

このほか、鹿児島市では住宅の一部損壊が１棟、床上浸水が１棟確認されています。

また、鹿児島市で３カ所、日置市と薩摩川内市でそれぞれ１カ所、がけ崩れも発生しています。

４日も梅雨前線の影響で、九州南部では雨の一日となり、鹿児島市でも１時間雨量が３０ミリを超え、激しい雨が降りました。

２日の降り始めからの雨量は、薩摩川内市八重山で２８９．５ミリと、３００ミリ近くに達しているところもあります。

レベル４の避難指示が鹿児島市の１万７５８世帯、１万９８００人と、日置市の全域に出されています。

高齢者等避難が鹿児島市の喜入地域の６７６世帯、１１５５人に出されています。